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皆さんこんにちは!
株式会社境関養豚、更新担当の中西です!
~変遷~
目次
戦前〜戦後直後の養豚は、農家の副業的・自給的な家畜飼養が中心。
台所残さや副産物を飼料にして、**家計と地域循環を支える“小さな畜産”**でした。
やがて都市化と食生活の近代化に伴い、肉・脂の安定供給が社会的課題となり、専業化への道が開かれます。
国産豚肉の需要が急伸。ランドレース、ラージホワイト、デュロックなどの血統導入で改良・増体が進みます。
飼料:穀物主体へ移行、配合飼料工場の整備
経営:種豚・肥育・出荷の分業体制が広がる
インフラ:と畜・流通の近代化、冷蔵・冷凍網の整備
この時代に「量の安定供給」という社会ミッションが確立しました。
大規模化・省力化が進む一方、疾病リスク管理の重要性が前面化。ワクチンやバイオセキュリティの整備が広がります。
ハウジング:ウインドレス豚舎、換気・給餌の自動化
品質:枝肉格付・歩留向上を意識した改良
管理:HACCP的発想や衛生管理マニュアルの普及
生産者は「多頭化×健康管理」の両立に本格的に挑み始めました。
食の安心が求められ、トレーサビリティや生産履歴管理が当たり前に。
地域銘柄豚の台頭(飼料・水・飼養方法の“物語化”)
直販・外食連携・六次化で顔の見える豚肉へ
環境対応:堆肥化や臭気対策、排水処理の高度化
「安全+おいしさ+物語」が価値の三本柱に。
ICTが現場に浸透。見える化×自動化で省人・高精度の管理へ。
センサーで温湿度・CO₂・アンモニアを常時監視、換気・ミストを自動制御
カメラ・マイクで行動や咳を検知、早期発見・早期対処
ウェルフェア:群飼・ストール見直し、ストレス低減、疼痛管理への配慮
エネルギー:バイオガス化やソーラー導入で再エネと循環を両立
“効率”だけでなく“いのちへの配慮”が経営価値に直結する時代へ。
国際的な感染症リスクに備えた防疫体制の強化や、気候変動下での暑熱対策が必須に。
同時に、データドリブン経営が標準化しています。
AI給餌・発情検知・体重推定、ゲノミックセレクションの活用
飼料高騰への備え:副産飼料・国産飼料、配合最適化のアルゴリズム導入
抗菌剤使用の適正化とAMR対策(獣医連携・サーベイランス)
ESG開示:カーボンフットプリント、水・廃棄物指標、動物福祉指標の可視化
「強く、しなやかな養豚経営」をデータと仕組みでつくる段階に入りました。
〜1950s:副業的・自給的 → 専業化の萌芽
1960–70s:改良・配合飼料・分業で量の安定供給
1980–90s:多頭化と疾病管理・衛生管理
2000s:安全・ブランド化・環境対応
2010s:スマート化とアニマルウェルフェア
2020s:DX・レジリエンス・ESGの統合
データ一元化:飼料・環境・健康・出荷を同じダッシュボードで意思決定
カーボンスマート養豚:バイオガス・堆肥還元・再エネで“負から価値へ”
国産飼料×代替飼料:麦・飼料米、副産物、昆虫由来などでレジリエンス強化
ウェルフェアの標準化:行動ニーズ・群飼設計・ハンドリング教育をKPI化
ブランドの深化:テロワール(気候・水・飼料)を語る“ストーリー・ミート”戦略
テクノロジーが進んでも、日々の観察・清掃・温度管理・給餌の丁寧さが群の健康を左右します。
堆肥を田畑へ、作物を飼料へ戻す地域循環は、これまでもこれからも養豚の強み。
人の目・手・勘にデータを重ねることで、次の一歩がより確かなものになります。
養豚場業は、
自給的畜産から始まり、量の安定供給を経て、
安全・ブランド化、スマート化・ウェルフェア、
そしてDX×ESGの統合へ──。
“いのちを育て、地域を循環させ、暮らしを支える”という本質はそのままに、技術と社会要請に応じてしなやかに進化してきました。次の10年は、データと物語、循環と付加価値を結びつける時代です
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