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月別アーカイブ: 2025年8月

トントン日記~part16~

皆さんこんにちは!

株式会社境関養豚、更新担当の中西です!

 

~おいしさと環境を両立~

 

生産性・動物福祉・環境配慮・地域信頼を同時に満たすのが、これからの養豚。ここでは、現場で実装できる循環の設計図(KPI→飼養→資源化→発信)を具体的に解説します。


1. 経営のKPIを“見える化”する

  • 出産間隔・離乳頭数・離乳体重

  • 日増体・飼料要求率(FCR)・出荷日齢

  • 枝肉歩留・脂肪厚の安定性

  • ロス率(淘汰・事故)・電力・水使用量/頭
    → 月次で**“赤・黄・緑”の信号管理。改善会議は数字→現場→対策**の順で。


2. 繁殖・分娩・子豚ケア

  • 母豚BCS(体況)管理:薄すぎ・太り過ぎは生産性低下に直結。

  • 発情発見と授精タイミングの精度向上(観察・センサー併用も有効)。

  • 分娩前後:保温・乾燥・圧死防止バー・初乳確保を徹底。

  • 処置は地域ルール・ガイドラインに沿って痛み・ストレスの最小化を配慮。


3. 飼料戦略:地元と胃袋をつなぐ

  • 段階別給与(妊娠・授乳・育成・肥育で栄養最適化)。

  • 地元副産物の活用(規格外農産物・酒粕など)※品質・安全を確認の上で。

  • カビ毒・異物管理:ロット管理と除去の仕組み。

  • 給餌ロス削減:こぼれ・残飼の定点観測、ペレット径・水分の見直し。


4. 快適性と動物福祉

  • 暑熱対策:換気・ミスト・遮光・断熱。

  • 寒冷対策:保温・風よけ・局所暖房。❄️

  • 群管理:スペース・床材・遊具(わら/吊り玩具)で行動欲求に配慮。

  • :流量・温度・水質を定期チェック(飲水は成長と健康の基礎)。


5. 糞尿の資源化とにおい対策 ♻️

  • 固液分離→堆肥化:切り返し・含水管理、温度データを記録。

  • バイオガス:発電・温水利用でエネルギー循環。

  • 液肥の施用計画:土壌分析→施肥設計→散布の三点セット

  • におい:フタ・カバー・スクラバー・生物脱臭・活性炭の組合せで低減。

  • 運搬ルート・時間の工夫で近隣への影響を最小化。


6. 地域とのコミュニケーション

  • 年1回の説明会:におい対策・交通配慮・緑化計画を共有。

  • 苦情対応プロトコル:受付→現場確認→対策→報告を時系列で記録

  • 見学・直販:衛生ルールの範囲で「開かれた農場」を演出。


7. DXで省力&精度アップ

  • 環境センサー(温湿度・CO₂・NH₃)とアラート運用。

  • RFID/個体管理で繁殖・投薬・ワクチンの台帳自動化。

  • 給餌機・給水のIoTでロス検知、異常を早期に見つける

  • ダッシュボードでKPIを可視化、スマホで共有。


8. ブランド化・販路づくり

  • 飼養ストーリー(飼料・水・環境・福祉への配慮)を言葉と写真で伝える。

  • 部位別の価値提案:ロース/肩ロース/バラ/モモ/ヒレの食べ方設計。️

  • 熟成・加工:ベーコン・ソーセージのロス削減と付加価値化。

  • SNS運用:季節のレシピ・直売日・イベントを定期配信


9. リスクマネジメント(備えあれば憂いなし)

  • 停電・断水:発電機・貯水・非常時マニュアル。

  • 高温・寒波・豪雨:バックアップ換気・排水計画の見直し。

  • 感染症・物流停滞:搬入・搬出の代替ルート、在庫基準。

  • 保険・契約:施設・家畜・事業中断の補償を定期点検。

 

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トントン日記~part15~

皆さんこんにちは!

株式会社境関養豚、更新担当の中西です!

 

~持ち込まない・広げない~

 

養豚経営の利益は健康な群がつくります。病気は「発生した後に戦う」より、持ち込まない・広げないで未然に防ぐのが最短・最安の道。ここでは、明日から現場で使えるゾーニング・動線・清掃消毒・記録管理を、チェックリスト付きでまとめます。


1. ゾーニングと動線の基本

  • 三層ゾーン

    • 汚染(搬入・搬出、車両・資材)

    • 準清潔(更衣・シャワー)

    • 清潔(飼養エリア)

  • シャワーイン・ブーツ&作業着の色分け:人の流れを一方通行に。

  • 飼料・資材の動線は、人・家畜の動線と交差禁止。必要時は時間分離。

迷ったら「清潔→汚染には出ない、汚染→清潔へは必ず手順を踏む」が合言葉。


2. 人・車・物の出入り管理

  • 訪問者登録:入場前の健康申告、直近の畜舎訪問歴を記録。

  • 車両:タイヤ・下回りの洗浄消毒ポイントを設置。

  • 荷受け台:外部からの資材は受け渡しベイで開梱→内装へ移す。

  • ダウンタイム:他畜種・他農場との接触後は一定時間空ける運用を標準化。


3. 日常衛生ルーティン

  • 足浴槽:各舎入口に設置、濃度・交換日をラベル管理。

  • 器具類:分娩器具・針・カップは洗浄→乾燥→保管箱の順。

  • 害獣・害虫対策:ねずみ・ハエ・蚊対策を月次点検(餌台・隙間封鎖)。

  • 水系:給水ラインは定期洗浄、末端まで流してバイオフィルム抑制


4. 飼料・寝床の衛生 ️

  • サイロ管理:残飼・結露・カビをチェック、ローテーションを可視化。

  • カビ毒対策:原料の入庫記録とロット追跡

  • 床材:分娩舎は乾燥・保温を徹底。湿りは咳・下痢の誘因に。


5. ステージ別の防疫ポイント ➡️

  • 分娩・授乳期:初乳の確保、圧死防止、保温ランプの温度記録。

  • 離乳期オールイン・オールアウトで群を固定、空舎期間を確保。

  • 肥育期:換気・温湿度・アンモニア濃度を簡易計測で週次記録。️


6. 早期発見・早期隔離

  • 毎日チェック:食い・飲み・歩き・呼吸の4観察。

  • 異常はマーキング→隔離ペンへ移動、給餌・給水を個別管理。

  • ワクチンプログラムと処置記録は個体・群でデジタル台帳化。


7. 清掃・消毒SOP(空舎時)

  1. 乾掃除 → 2) 高圧洗浄 → 3) 乾燥(24–48h目安)

  2. 消毒(表示に従う希釈) → 5) 再乾燥 → 6) バイオセキュリティ点検票にサイン
    乾燥が最大の消毒。送風・日射を活用。


8. KPIで“効いているか”を可視化

  • 死亡率・淘汰率(ステージ別)

  • 薬剤使用量(月次推移)

  • 離乳体重・日増体

  • 呼吸器・消化器の症状件数

  • 空舎期間遵守率
    → 週次ミーティングで原因→対策→担当者まで落とし込む。


9. 有事対応と関係者連携

  • 異常多発時の連絡網(獣医・飼料会社・関係機関)

  • 搬出停止・動線封鎖などの手順を紙&データで掲示。

  • 近隣説明:消毒強化・車両ルート変更など、情報共有で信頼を。

 

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